全世界でEV(電気自動車)の熾烈な開発競争が繰り広げられています。中国を筆頭に群雄割拠の様相を呈している中、今回、注目するのはアメリカの新興EVメーカーである「ルーシッド・モーターズ」です。
世界トップクラスのバッテリー開発技術を持つ同社のEVはテスラ(モデルS)の航続距離を上回ります。技術力でテスラの上を行くルーシッドの強みとは。その将来性や今後の見通しについて詳しく解説していきます。
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ルーシッド・モーターズについて
ルーシッド・モーターズは米国のカルフォルニア州のシリコンバレーに本社を構える電気自動車メーカーです。
前身は「atieva(アティエヴァ)」という社名で当初はEV向けのリチウムイオン電池や電動パワートレインの開発事業を行っていました。この段階から高い技術力を有していた同社はアメリカだけでバッテリーパック関連の特許を50以上も取得。
リチウムイオン電池と電動パワートレインの事業が軌道に乗ったことから、2014年に自動車開発事業を立ち上げました。CEOにテスラの元副社長であるピーター・ローリンソン氏を迎え入れ、2016年10月に社名を「ルーシッド・モーターズ」に変更しています。
そして、同年12月にはフラッグシップモデルとなる「Lucid Air」を発表。たった1回の充電で最大520マイル(約837キロメートル)を走る航続距離を記録し、それまで首位だったテスラのモデルSの最長記録405マイルを塗り替えました。
この記録は2023年の現在でも超えられておらず最長航続距離ランキングで世界No.1のEV車となっています。さらに、2022年「MOTORTREND カー・オブ・ザ・イヤー」受賞、2023年「Newsweek パワートレイン賞」受賞、2023年「ワールド・ラグジュアリー・カー・アワード」受賞など数々のレコードを記録。
まさに世界トップクラスの技術力を持ったEVメーカーがルーシッド・モーターズという企業です。
ラグジュアリーな高級EVに特化
ルーシッドの特徴は「ラグジュアリーな高級EV」に特化しているという点です。EVメーカーで世界トップの時価総額を誇るテスラは高級スポーツカーから始まり、現在はミドルクラスのEVを量産しています。
大量生産を行い、比較的手が届きやすい価格帯で全世界に普及させているテスラと比べて、ルーシッドはブランドコンセプトから異なります。性能・効率性・高級感のあるエクステリアとインテリア・環境性能を追求するのがルーシッドのコンセプトです。「高級スポーツカーと同等の馬力・性能を持ったラグジュアリーなEV」を目指しています。
現行モデルは最もシンプルな「Pure:ピュア」、航続距離性能を高めた「Touring:ツーリング」、航続距離と馬力のある「Grand Touring:グランドツーリング」の3種類です。
それぞれの価格は「Pure:8万2,400ドル(約1,200万円)」、「Touring:9万5,000ドル(約1,400万円)」、「Grand Touring:12万5,600ドル(約1,800万円)」と最低クラスでも1,000万円以上。
この価格はオプションを付けないデフォルトの価格です。テスラの最安モデルである「モデル3」が約530万円であるのに比べれば2倍以上の価格差があり、テスラとは根本からブランドコンセプトが異なります。
世界トップクラスのバッテリー開発力
CEOのピーター・ローリンソン氏はテスラ時代にモデルSのチーフエンジニアを勤めていた方です。さらに副社長も兼任しており、テスラを知り尽くした重鎮がテスラとは異なるコンセプトで立ち上げたカーブランドになります。
また、前身であるアティエヴァは複数のテスラ出身エンジニアが最初に立ち上げた会社です。ルーシッドの技術力は創業当時から世界トップクラスでした。
その技術力をさらに高めた最上位モデル「Grand Touring」は最大パワー1,234馬力、516マイルの航続距離、時速100㎞到達まで約1.89秒の加速というハイスペックを実現。
さらに、200マイル(約320キロメートル)の充電にかかる時間はたったの12分です。テスラ車のスーパーチャージャーでも1回の充電に30分かかることからルーシッドのバッテリー技術がいかに優れているかが分かります。
2013年、ルーシッドが本格的に自動車事業に参入する前に投資家に向けて行ったプレゼンテーションで、すでにこれに近いレベルの技術力を有しており100億ドルの融資を受けています。
英アストンマーティンにパワートレイン供給契約を締結
2023年7月、ルーシッドは英アストンマーティンに最先端の電動パワートレインとバッテリーシステムを供給する契約を結んだと発表しました。
アストンマーティンといえば1913年から100年以上の歴史を誇るイギリスを代表する自動車メーカーです。この供給契約はルーシッドにとって大きな意義があります。
ルーシッドの技術力が全世界に知名度のある老舗自動車メーカーに認められたこと、そして同社の電動パワートレインとバッテリーシステムを他の自動車メーカーに対して供給する前例となったからです。
アストンマーティンの最高技術責任者(CTO)のロベルト・フェデリ氏は「ルーシッドとの契約は当社の電動化戦略の重要な要素」「ルーシッドのEV業界をリードするパワートレインとバッテリーシステムの活用によって当社の超高性能EV開発が可能になる」と発表。
今後、アストンマーティンに続き世界中のEV開発に乗り出したい自動車メーカーがルーシッドから技術供給を受ける可能性も大きくなっています。
ルーシッドの最新決算、業績
ルーシッドは2023年8月7日、2023年度第2四半期決算を発表しました。売上高は1億5,090万ドルと前年同期比で63%増加しています。
一方で営業損失も膨らんでおり今期は約8,400万ドルと前年同期比で50%ほど損失が増えています。現状では本業で車を生産すればするほど現金流出が増えるという状況です。
この状況を改善するカギは「いかにして量産体制を構築し、納車台数を増やすか」「富裕層をターゲットにした顧客基盤を拡大ができるか」という点にかかっています。
決算では今期の納車台数は1,404台で2023年の年間1万台生産に向けて順調と発表していますが、当初は年間9万台だったため大幅に納車台数の目標を下げている状況です。顧客基盤に関しても納車が遅れていることから伸び悩んでいます。
ルーシッドの将来性、今後の見通し
一見、この状況だけを見ると今後の見通しはかなり悪いように見えますが、テスラも数年前までは同じような状況にありました。資金繰りが悪化し、融資を受けられず上場廃止、倒産という流れは自動車メーカーの宿命ともいうべき道のりです。
将来的にEV市場の拡大は確実視される中、世界中で数多のEVメーカーが熾烈な開発競争を繰り広げています。その中でテスラは革新的な技術開発と大量生産を同時に成し遂げたことで世界No.1のEVメーカーに上り詰めました。
この点、ルーシッドはテスラを凌ぐ世界トップクラスの技術力を持つ企業です。英アストンマーティンとのパートナーシップ提携は同社の技術力の証明となりました。
さらに、 今期の決算では「PIF(Public Investment Fund:サウジアラビアの政府系投資ファンド)」から30億ドルの融資を受け、全体で62.5億ドルの流動性を確保しています。これにより2025年までの資金繰りに目途が付いています。
新モデル発表と量産体制の構築に注目
資金繰りに目途が付いたことで、ルーシッドはかねてより進めていた新モデルの発表と量産体制の構築をさらに進めることが可能となりました。
ルーシッドはアリゾナ州カサグランデに自社工場を保有しています。創業と同時に500エーカーの敷地に700億円を投じて「AMP1」と呼ばれる工場を建設し、「Lucid Air」を開発・生産。
この工場は最初の計画では1万台の生産能力を有するものでしたが、今後の拡張により年間30万台の生産を可能にする見通しです。
そして、新モデルの発表も控えています。2023年の後半から「Lucid Air Sapphire(ルーシッド・エア・サファイア)」とPureの後輪駆動モデルを生産開始。
さらに、注目なのが新型SUVの「Gravity」です。これまでセダンタイプのEVに特化していた同社が満を持してSUVを投入します。
Gravityはこれまでルーシッドが培ってきた超高性能バッテリーシステムのパフォーマンスを最大限に発揮しつつ、最大7人乗りという広大なスペースを実現。多用途の充電機能はラグジュアリーさの中に確かな機能性を持ちます。
Gravityの発表は2023年11月の見通しです。納車は2024年を目途にしており、富裕層を対象とした顧客基盤の強化にどれだけ貢献するのか要注目です。
足元の決算では赤字続きとなっていますが、世界トップクラスの技術力を持つルーシッドは数あるEVメーカーの中でも将来性という点において注目銘柄なのは間違いありません。
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(※:取引可能時間は標準時間の情報を記載しています。ただしマネックス証券の国内店頭取引の取引可能時間は標準時間・夏時間は関係なく一定となります)
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